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オオサンショウウオ
オオサンショウウオ(大山椒魚、Andrias japonicus)は、両生綱オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属に分類される有尾類。別名ハンザキ。
[編集] 分布
日本(岐阜県以西の本州、四国、九州の一部)固有種
[編集] 形態
チュウゴクオオサンショウウオと並ぶ世界最大の現生出会である。全長は50〜60cm、中には1mを越えるものもいる。目はとても小さく、視力は弱い。
別名「ハンザキ」や、「ハンザケ」などともよばれるが、この名の由来は、
からだを半分に裂いても生きていそうな動物だから
からだが半分に裂けているような大きな口の動物だから
の2つの説がある。
近縁のものとしては中国に生息するチュウゴクオオサンショウウオと北アメリカに生息するヘルベンダー(アメリカオオサンショウウオ)が存在する。
[編集] 生態
山地の渓流域に生息し、一生のほとんどを水中で過ごす。成体は肺呼吸なので、水面付近で鼻孔を出して呼吸する。呼吸回数は1時間に1回程度。また、水中での移動が困難な場合は陸上に上がって移動する。外敵に襲われると白い粘着質の液体を皮膚から分泌し身を守る。
夜行性で、夜になると川底を這いまわり、魚類やカエルなどを大きな口で捕食するが、視力が弱いため、すぐ近くにきたものしか捕食できない。しかし、顎の力は強靭で口には細かい歯が密生しているため、一旦くわえた餌を放すことはほとんど無い。食べる量は小型の魚を1日1匹程度のみであり、なぜそれだけの餌でここまで巨大化するのかはまだよくわかっていない。
繁殖形態は卵生で、水中の岩の隙間などに潜り込んで産卵する。卵は球形のものが寒天質の紐でつながった形のものである。
幼生は成体同様黒い色をしているが、足の付け根部分に外鰓が生えており、鰓呼吸を行う。生後4-5年で変態し、成体となる。
[編集] 保護上の位置づけ
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
国指定特別天然記念物(1952年3月29日指定)。
[編集] 人間との関わり
天然記念物に指定される以前は、貴重な蛋白源として食用としていた地方も多い。 北大路魯山人の著作「魯山人味道」によると、さばいた際に強い山椒の香りが家中に立ち込めたといい、魯山人はこれが山椒魚の語源ではないかと推測している。最初は堅かったが、数時間煮続けると柔らかくなり、香りも抜けて非常に美味であったという。 また、白土三平「カムイ外伝」でも食用とする場面が見られ、半分にしても生きている「ハンザキ」と説明されている。
井伏鱒二の「山椒魚」には大型のサンショウウオが登場し、おそらくオオサンショウウオのことであると思われる。 また、つげ義春も「山椒魚」という作品を発表しており、こちらは明らかにオオサンショウウオが描かれている。
カレル・チャペックの「山椒魚戦争」はこの属の山椒魚が人類の敵となる物語である。
イモリ科

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イモリ科(イモリか、Salamandridae)は、両生綱有尾目に属する科。
[編集] 分布
北アメリカ大陸(アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ)、アフリカ大陸の地中海沿岸、ユーラシア大陸(東アジア、ヨーロッパ)、日本
[編集] 形態
最大種はイベリアトゲイモリで全長30cm。
自己防衛のために皮膚に毒を持つ種が多い。特徴的なものでは、フグ毒と同じテトロドトキシンを持つアカハライモリやカリフォルニアイモリ、筋肉の力で毒を発射(ファイア)するファイアサラマンダー等がいる。
ヨーロッパに生息する複数の属では繁殖期のオスの背面の皮膚が伸長しヒレ状になることがある。
[編集] 生態
森林、河川、渓流、池沼等に生息する。水に漬かると溺れてしまうような陸棲種もいれば、逆にほぼ陸に上がらない完全水生種、陸棲だが繁殖期になると水棲になる種もいる。
食性は動物食で、昆虫類、節足動物、甲殻類、貝類、ミミズ、出会の卵や幼生等を食べる。
繁殖形態は卵生で陸上では落ち葉の下、水中では水草や石の下に卵を産みつける。ファイアサラマンダーは卵管の中で卵を孵化させ幼体になってから体外に放出する(卵胎生)。また繁殖期にオスがメスの目の前で尾を振る繁殖行動を行う種がいるが、アカハライモリでこの繁殖行動の際にオスの尾からソデフリンというフェロモンが分泌されることが判明している。
[編集] 分類
ピレネーナガレイモリ属 Calotriton
Calotriton arnoldi Montseny brook newt
Calotriton asper ピレネーナガレイモリ Pyrenean brook newt
キンスジサラマンダー属 Chioglossa
Chioglossa lusitanica キンスジサラマンダー
トウヨウイモリ属 Cynops
Cynops chenggongensis チェンゴンイモリ Chenggong fire belly newt
Cynops cyanurus ハナダイモリ
Cynops ensicauda シリケンイモリ Sword-tail newt
Cynops orientalis シナイモリ Chinese fire belly newt
Cynops orphicus オルフェウスイモリ
Cynops pyrrhogaster アカハライモリ Japanese fire belly newt
イボイモリ属 Echinotriton
Echinotriton andersoni イボイモリ Anderson's salamander
Echinotriton chinhaiensis チンハイイボイモリ
ナガレイモリ属 Euproctus
Euproctus montanus コルシカナガレイモリ
Euproctus platycephalus サルジニアナガレイモリ
スベイモリ属 Lissotriton
Lissotriton boscai ボスカイモリ
Lissotriton helveticus ヒラユビイモリ Palmate newt
Lissotriton italicus イタリアイモリ
Lissotriton montandoni キバライモリ
Lissotriton vulgaris スベイモリ (オビイモリ) Smooth newt
スパイクサラマンダー属 Lyciasalamandra
Lyciasalamandra anatlyana
Lyciasalamandra atifi
Lyciasalamandra billae
Lyciasalamandra fizilae
Lyciasalamandra flavimembris
Lyciasalamandra helverseni
Lyciasalamandra luschani スパイクサラマンダー
コシトゲサラマンダー属 Mertensiella
Mertensiella caucasica コーカサスサラマンダー
ミヤマイモリ属 Mesotriton
Mesotriton alpestris ミヤマイモリ (アルプスイモリ)Alpine newt
ツエイモリ属 Neurergus
Neurergus crocatus ツエイモリ
Neurergus kaiseri カイザーツエイモリ
Neurergus microspilotus コモンツエイモリ
Neurergus strauchi ストラエヒツエイモリ
トウブイモリ属 Notophthalmus
Notophthalmus meridionalis ゴマダライモリ
Notophthalmus perstriatus アカスジイモリ
Notophthalmus viridescens ブチイモリ Eastern newt
スジイモリ属 Ommatotriton
Ommatotriton ophryticus トルコスジイモリ
Ommatotriton vittatus シリアスジイモリ
フトイモリ属 Pachytriton
Pachytriton brevipes フトイモリ (ブチフトイモリ) Spotted paddle-tail newt
Pachytriton labiatus ムハンフトイモリ Paddle-tail newt
コブイモリ属 Paramesotriton
Paramesotriton caudopunctatus ビハンイモリ
Paramesotriton chinensis シナコブイモリ
Paramesotriton deloustali ベトナムコブイモリ
Paramesotriton fuzhongensis フゾンコブイモリ
Paramesotriton guangxiensis コワンシーコブイモリ
Paramesotriton hongkongensis ホンコンイモリ Hong Kong warty newt
Paramesotriton laoensis ラオスコブイモリ
トゲイモリ属 Pleurodeles
Pleurodeles nebulosus アルジェリアトゲイモリ
Pleurodeles poireti
Pleurodeles waltl イベリアトゲイモリ Iberian ribbed newt
サラマンドラ属 Salamandra
Salamandra algira アルジェリアサラマンダー
Salamandra atra アルプスサラマンダー Alpine salamander
Salamandra corsica コルシカサラマンダー
Salamandra infrainmaculata ムジハラファイアサラマンダー
Salamandra lanzai ランザアルプスサラマンダー
Salamandra salamandra ファイアサラマンダー Fire salamander
メガネイモリ属 Salamandrina
Salamandrina terdigitata メガネイモリ
Salamandrina perspicillata キタメガネイモリ
カリフォルニアイモリ属 Taricha
Taricha granulosa サメハダイモリ Rough-skinned newt
Taricha rivularis クロメイモリ Red-bellied newt
Taricha torosa カリフォルニアイモリ California newt
クシイモリ属 Triturus
Triturus carnifex アルプスクシイモリ (イタリアクシイモリ)
Triturus cristatus ホクオウクシイモリ (キタクシイモリ) Great crested newt
Triturus dobrogicus ダニューブクシイモリ
Triturus karelinii トルコクシイモリ (ミナミクシイモリ) Southern crested newt
Triturus marmoratus マダライモリ Marbled newt
Triturus pygmaeus カージスマダライモリ (チビマダライモリ)
ミナミイボイモリ属 Tylototriton
Tylototriton asperrimus キメアライボイモリ
Tylototriton kweichowensis コイチョウイボイモリ
Tylototriton shanjing ミナミイボイモリ Emperor newt
Tylototriton taliengensis ターリャンイボイモリ
Tylototriton verrucosus モトイボイモリ Himalayan crocodile newt
Tylototriton vietnamensis ベトナムイボイモリ
Tylototriton wenxianensis ウェンシャンイボイモリ
[編集] 人間と関係
ファイアサラマンダーは火の精霊として象徴とされたり、その毒性が誇張され忌み嫌われたりしてきた。
ペットとして飼育されることもあり有尾目全体から見れば流通量は多い。日本に生息するアカハライモリやシリケンイモリはデパートの屋上などで見かけることもあるが海外での人気も高い。しかしペット用の乱獲や環境破壊により生息数は減少しており、先に挙げたヨーロッパに生息する本科の構成種では生息地で厳重に保護されている。

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ハナダイモリ(縹井守、Cynops cyanurus)は、両生綱有尾目イモリ科トウヨウイモリ属に分類される有尾類。
[編集] 分布
C. c. cyanurus
中国(貴州省)固有亜種
C. c. yunnanensis ユンナンハナダイモリ
中国(雲南省)固有亜種
[編集] 形態
全長7-11.5cm。背面は緑褐色で、腹面は黄色やオレンジ色になる。背面には黒く小さい斑点が点在することもある。側頭部には不鮮明な黄色やオレンジ色の斑紋が入る。尾は短いが縦に幅があり縁が黄色やオレンジになる。
繁殖期になるとオスの尾には青い斑点が現れる。和名や英名は繁殖期のこの発色(縹色)に由来する。
亜種C. c. chuxxiongensisは基亜種のシノニムとして認めない説が有力。
[編集] 亜種
Cynops cyanurus cyanurus Liu, Hu & Yang, 1962
Cynops cyanurus yunnanensis Yang, 1979 ユンナンハナダイモリ
[編集] 生態
高地にある流れの緩やかな河川や池沼、水田等に生息する。半水棲
食性は肉食性で昆虫類、節足動物、貝類、ミミズ、出会の幼体等を食べる。
繁殖形態は卵生で、水草等に包む様にして卵を1個づつ産みつける。
[編集] Status
LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1(2001))
[編集] 人間との関係
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。最近までおそらく輸入例はなく2005年に初めて輸入されたと思われる。
アクアテラリウムで飼育する。雌雄が揃い水中に水草を入れておけば、飼育下で繁殖させることもできる。卵や幼生は親に食べられる可能性があるので、卵のうちに水草ごと取り除き飼育する。幼生は複数で飼育すると共食いする。

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シリケンイモリ(尻剣井守、尻剣蠑?、Cynops ensicauda)は、両生綱有尾目イモリ科トウヨウイモリ属に分類される有尾類。
[編集] 分布
C. e. ensicauda アマミシリケンイモリ
日本(奄美大島)固有亜種 徳之島では近年発見例がなく絶滅したと思われる。
C. e. popei オキナワシリケンイモリ
日本(沖縄島、渡嘉敷島、渡名喜島)固有亜種
[編集] 形態
全長10-15cm。背面は黒や茶褐色で、腹面はオレンジ色や黄色。背面にはオレンジ色の筋模様、腹面には小さく黒い斑点が入ることもある。アカハライモリと同じく体内にテトロドトキシンを持ち、腹部の派手な色彩は警戒色になると考えられている。尾は長く縦に扁平し、さらに先端が尖り和名や英名の通り剣のように見える。
二次成長としてオスは尾が先端で急に細くなり総排泄口の周辺が膨らんでいるのに対し、メスは尾が相対的に長く基部から徐々に細くなっていき総排泄口の周りは膨らんでいない。また繁殖期になるとオスの尾は幅広くなり銀色の斑点が現れる。
C. e. ensicauda アマミシリケンイモリ
背面には白い地衣類状の斑紋があまり入らない個体がほとんど。
C. e. popei オキナワシリケンイモリ
背面に金色やクリーム色の斑紋が入る個体が比較的多い。
[編集] 亜種
Cynops ensicauda ensicauda (Hallowell, 1861) アマミシリケンイモリ
Cynops ensicauda popei (Inger, 1947) オキナワシリケンイモリ
[編集] 生態
流れの緩やかな河川や池沼、水田、湿度の高い森林の林床や側溝の中等にも生息する。半水棲だがアカハライモリに比べると陸棲傾向が強い。雨の日にミミズを求めて地上を徘徊することもあり、道路で車によって轢死してしまうこともある。
食性は動物食で、昆虫類、節足動物、ミミズ、出会の幼生等を食べる。
繁殖形態は卵生で、1-7月に水草等に包む様にして卵を1個づつ産みつける。繁殖になるとオスはメスの前で尾をくねらせて細かく振動させる繁殖行動を取る。 この際アカハライモリが繁殖行動の際に分泌するフェロモン「ソデフリン」に似た、「シリフリン」と呼ばれるフェロモンを分泌する。これは本種の和名や尻に由来するものではなく塩基配列がセリン(S)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)から始まることに由来している。
[編集] 人間との関係
開発による生息地の減少や、ペット用の乱獲等により生息数は減少している。
有毒種なのでなるべく素手では持たないようにし、万が一素手で触ってしまった場合はすぐに手を洗うようにする。(イモリの側からしても人間の体温は高温過ぎるため。)
ペットとして飼育されることもあり、日本本土でも春先にかけてデパートの屋上やホームセンター等でも見かけることができる。流通するのは主に亜種オキナワシリケンイモリ。流通するのは主に野生個体で、飼育下繁殖そのものは難しくないが安価で野生個体が大量に流通するためか繁殖個体が流通することは稀。アクアテラリウムで飼育する。雌雄が揃い水中に水草を入れておけば、飼育下で繁殖させることもできる。卵や幼生は親に食べられる可能性があるので、卵のうちに水草ごと取り除き飼育する。幼生は複数で飼育すると共食いする。

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アカハライモリ(赤腹井守、赤腹蠑?)Cynops pyrrhogaster は、有尾目イモリ科トウヨウイモリ属に分類される出会の一種。日本で単にイモリと呼ぶ場合本種を指すことが多い。ニホンイモリ(日本井守、日本蠑?)という別名もある。
[編集] 分布
本州、四国、九州とその周囲の島嶼に分布する日本の固有種で、当該地域に分布するイモリとしては唯一の種でもある。島嶼では佐渡島、隠岐諸島、壱岐島、五島列島、大隅諸島まで分布するが、対馬には分布していない。大隅諸島では近年、生息の確認は無い。北海道や伊豆諸島などには本来分布していなかったが、人為的に移入されたものが増えており問題となっている。
なお、奄美大島から沖縄本島にはシリケンイモリとイボイモリが分布する。
[編集] 形態
全長は10cm前後で、2対4本の短い足と長い尾をもつ。サンショウウオ類と異なり皮膚がザラザラしている。背中側は黒-茶褐色で、腹は赤地に黒の斑点模様になっている。赤みや斑点模様は地域差や個体差があり、ほとんど黒いものや全く斑点が無いもの、逆に背中まで赤いものもいる。
フグと同じテトロドトキシンという毒をもち、腹の赤黒の斑点模様は毒をもつことを他の動物に知らせる警戒色になっていると考えられている。陸上で強い物理刺激を受けると横に倒れて体を反らせ、赤い腹を見せる動作を行う。
[編集] 再生
イモリは脊椎動物でも、特に再生能力が高いことでも知られている。多くの脊椎動物では尾ですら再生することはできない。トカゲは尾を自切し、再生することで知られているが、実は尾骨までは再生しない。これに対して本種は尾を切ると完全に骨まで再生し、四肢を肩の関節より先で切断しても指先まで完全に再生する。目のレンズの再生については教科書にも載るほどである。
この再生能力の高さは、生態学的研究には障害になる場合がある。個体識別をするためのマーキングが困難なのである。一般に小型の出会や爬虫類では様々なパターンで足指を切ってマーキング・個体識別(トークリッピング)を行うが、イモリは簡単に再生してしまう。尾に切れ込みを入れても、傷が浅ければすぐ再生する。札などを縫いつけても、やはり皮膚が切れて外れやすく、傷はすぐに再生する。
[編集] 生態
水田、池、川の淀みなど流れのない淡水中に生息する。日本産サンショウウオ類は繁殖時期にのみ水辺に留まるものが多いが、本種の成体は繁殖期以外も水中で生活することが多い。ただし雨の日には水から出て移動することもある。冬は水路の落ち葉の下や水辺近くの石の下などで冬眠する。
幼生も成体も昆虫類、ミミズ等の小動物を貪欲に捕食する。他の出会の卵や幼生の有力な捕食者ともなっており、モリアオガエルやアベサンショウウオなど、希少な出会の生息地では厄介者とされる。
和名の「井守」は、野井戸の中にも生息するので「井戸を守る」に由来するという説や、井は田んぼを意味し、水田に生息することから「田を守る」との意味に由来するという説がある。また名前がヤモリと似ているが、ヤモリは出会ではなく爬虫類で、トカゲやヘビの仲間である。ヤモリは人家の外壁などに生息し、一生を通じて水中に入ることはなく、変態もしない。
[編集] 繁殖行動
春になり気温が上昇し始めると、成体が水中に姿を現す。オスがメスの行く先にまわりこみ、紫色の婚姻色を呈した尾を身体の横まで曲げて小刻みにふるわせるなど複雑な求愛行動を行う。このときにオスが分泌するフェロモンであるソデフリンが、脊椎動物初のペプチドフェロモンとして報告されている。メスが受け入れる体制になると、メスはオスの後ろについて歩き、オスの尾に触れる合図を送ると、オスが精子嚢を落としメスが総排出腔から取り込む。その際にオスの求愛行動に地域差があり、地域が異なる個体間では交配が成立しにくいといわれる。
[編集] 生活史
メスは、寒天質に包まれた受精卵を水中の水草の葉にくるむように1つずつ産卵する。流水に産卵する種類がいるサンショウウオ類に対し、アカハライモリは水たまり、池、川の淀みなど流れの無い止水域で産卵・発生する。
卵から孵った幼生はアホロートルのような外鰓(外えら)があり、さらにバランサーという突起をもつ。幼生ははじめのうちは足も生えていないが、やがて前後の脚が生える。ただしカエル(オタマジャクシ)はまず後脚から生えるが、イモリは前脚が先に生える。外鰓があるうちは水中で小動物を食べて成長するが、口に入りそうな動くものには何にでも食いつくため、共食いすることもある。
幼生は十分成長すると、外鰓が消えて成体と同じような形の幼体となり、上陸する。幼生の皮膚は滑らかだが、幼体の皮膚は成体と同じくざらざらしており、乾燥には幾分抵抗性がある。そのため、上陸した幼体を無理に水に戻すと、皮膚が水をはじいて気泡がまとわりつき、銀色に見えることがある。幼体は、森林内などで小さな昆虫や陸棲貝類、ミミズなどの土壌動物を捕食して3-5年かけて成長し、成熟すると再び水域に戻ってくる。
[編集] Status
LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1(2001))
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
田園地帯や森林に囲まれた水域では目にする機会も多いが、市街地などの護岸された水域では少ない。市街地での個体数の減少に伴い、2006年には環境省レッドリストでも準絶滅危惧種として記載され、埼玉県のように条例で捕獲を規制する自治体も現れた。他地域でも絶滅が危惧されている個体群は少なくない。
[編集] 人間との関係
ペット
一般的に有尾類は温度変化に弱く、摂餌行動が鈍く、人工環境での長期飼育が困難な種が多い。また、現地で法的に保護されている場合も少なくない。しかし日本のアカハライモリやシリケンイモリは温度変化に強く、きわめて貪欲で、飼育に適し、個体数が多く特に保護されていなかったため、ペットとして日本のみならず欧米でも人気が高まった。
ただし21世紀初頭の時点では先述のように保護地域も設定されるようになった。また、産地不明の飼育個体が逃げだしたり個体を遺棄することによる地域個体群への遺伝子汚染が懸念されている。
研究対象
イモリ類は胚発生の実験材料としてもよく用いられる。特に、シュペーマンが胚域の交換移植実験などを通じて、形成体を発見するのにイモリを用いた一連の実験が有名である。
近年では、その再生力の強さに注目して、再生・分化などの研究に用いられることも多い。一度精子をオスから受け取ると半年以上も体内で保持されメス単独で産卵することや、卵が透明な寒天状物質に包まれており、容易に観察できる点など利点は多い。そのため、1994年には、スペースシャトル・コロンビアに本種が宇宙飛行士向井千秋博士とともに搭乗し、微小重力下での産卵、発生の実験と観察が行われた。
その他の文化
かつて日本では、イモリの黒焼きはほれ薬として有名であった。竹筒のしきりを挟んで両側に雄雌一匹ずつを分けて入れ、これを焼いたもので、しきりの向こうの相手に恋いこがれて心臓まで真っ黒に焼けると伝える。実際の成分よりは、配偶行動などからの想像が主体であると思われるが、元来中国ではヤモリの黒焼きが用いられ、イモリの黒焼きになったのは日本の独自解釈による。
その他
毒をもつ出会
- アカハライモリ
- ヒキガエル科
- セマダラヤドクガエル
- マダラヤドクガエル
- コバルトヤドクガエル
- ズアカヤドクガエル
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